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■補聴器が老眼鏡のようにならないのはなぜ?

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目とカメラ
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レンズで物の像を結ばせる時、無限に遠くにある物は、そのレンズの焦点に像を結びます。近くのものの像はレンズの焦点から遠くにできます。レンズが厚いと、焦点距離は短くなり、より近くのものの像を近くにむすびます。カメラは遠くのものの像がフイルムに写るように造られています。

カメラで近くの物を撮る時、像を結ばせるフイルム面を動かせないので、レンズを動かすことで、より近くの物もくっきり写るようにします(焦点合わせ=フォーカス)。目の場合はレンズを動かすことも出来ないので、レンズを厚くして近くの物もはっきり見えるように調節します。普段は最も薄い状態でいて、近くの物を見る時だけレンズを厚くするのです。これを目の調節機構と言います。

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近視・遠視・老視−老眼鏡は虫眼鏡
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若者は6m〜目の前20cmまで楽に調節でき、がんばれば10cmまではっきり見えます。近くのものを見続けると、レンズが厚くなったままでいて、元に戻らなくなることがあります。こんな時は仮性近視といい、遠くのものがぼけて見えます。遠くの物を見るにはレンズが厚すぎる状態が、近視です。厚すぎる目のレンズを打ち消すように凹レンズを目の前に置くと、近くは勿論遠くの物も見えるようになります。

無限に遠くの物を見るのにもレンズを厚くしないといけない状態が、遠視で、いつも目にストレスがかかっています。遠くの物を見る時に厚くする分の凸レンズをかけると、目のレンズは厚くならないでも遠くの物を見ることができるようになり、目が疲れなくなります。遠視の人は視力検査でよく見えるので、見逃されやすいのです。年をとるとレンズが硬くなり、あまり厚くできなくなり、近くの物が見にくくなります。これが老視(老眼)です。腕の長さより近くの物を見ることができなくなると、新聞が読めなくなり不便になります。そこで、凸レンズの老眼鏡をかけると、近くのものが見えるようになります。遠視でかける凸レンズと同じものです。しかし、老視の凸レンズは近くの物を見る時にだけ役にたちます。遠視眼鏡はいつもかけていますが、同じ凸レンズの老眼鏡は新聞を読む時だけ使います。この時少し離れた物は見えません、つまり老眼鏡は虫眼鏡なのです。

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補聴器を老眼鏡のように使う方法
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声が小さくて良く聞こえない時、耳に手をかざします。聴きたい音に耳を近づけます。箱形補聴器をつけてマイクを話し手に向けると良く聞こえます。聴きたい人の声だけ大きくします。他の音は大きくないので、うるさいところでも聞き取ることができます。耳元で大声で話さないとだめだ、という人、補聴器は雑音ばかり入って役に立たない、と嘆く人とも普通の声で話ができます。

たいていの難聴者とも、箱形補聴器のマイクに向かって話すと、話しが良く通じます。今では、声を大きくするだけでなく、ゆっくりはっきり再生するポケット型録音機も市販されています。

これは虫眼鏡的使い方、つまり、補聴器も老眼鏡のように使えるのです。

でも実感は、補聴器は老眼鏡のようには使えない。何故でしょう?

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虫眼鏡型補聴器は好まれない
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150度の広い視野のうち真ん中の5度くらい、新聞の活字数個分の中心視野だけで色や形の識別をしています。大きな虫眼鏡、または老眼鏡の真ん中10mmのなかに新聞をおいて読めば良いのです。補聴器も老眼鏡と似て、音を、場合によってその人用に周波数を選んで、大きくする器械です。

老眼鏡的補聴器の大きな不便は、聴きたい声の主が腕を伸ばした先にいないことが多いことです。耳は、いわばレーダーのように、あらゆる方向からの音を、混ざった状態で受け入れています。その中に、ある方向と距離の所に大きさも変化する「聴きたい音=言葉」があります。うるさいところで何人もが入れ替わり話す「日常の会話」で使いたいのです。虫眼鏡では追いつかないところで使いたいので、好まれないのです。

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補聴器は年寄り臭い?
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誰もがなる老視、80歳でも半分しか自他共に認める老人性難聴にはなりません。多少の個人差はありますが、40歳を過ぎるとほとんど100%誰もが老視になります。だから、50歳で老眼鏡をかけるのに抵抗のある人はいないでしょう。おしゃれな老眼鏡はたくさんあります。

一方、疫学的には50歳くらいから聞こえの老化が始まっているのがわかっていますが、日常生活で不便はありません。言葉の聞き取りに関係しないような高い周波数音からきこえなくなるからです。年をとる以外に特に原因の見つからない難聴を老人性難聴と言い、80歳代では半分以上の人に見られます。言い換えると80歳でも若い人のように聞こえるヒトは稀ではないという意味でもあります。

60歳の人に、普通の声の大きさで6割しか聞き取れないとき、「老人性難聴だから補聴器をつけよう」と言うと、たいていは「まだ補聴器をつけるほどきこえ悪くはない」と抵抗します。実際、残りの4割を類推(感)で補っていても話しは通じるからです。ただ、人の名前や、数字などは類推できないので間違えてとトラブルの元となります。人生50年の時代には、補聴器の需要はなかったのです。

ここが老視と老人性難聴との違いです。老人性難聴にとっての補聴器の立場は、老眼鏡よりも入れ歯に近いのです。

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「耳が遠くなった」と「目が悪くなった」のちがい
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ヒトの耳は20〜2万ヘルツの音を聞き取ることができます。しかし、言葉に含まれる音は500〜4000ヘルツ、その中で大事なのは1−2KHz、外耳道の共鳴もこの辺で、ヒトの耳は言葉を聞き取るのによいようにできています(ほんとは逆で、構造上感度の良い音をコミュニケーションに使っているのです)。耳は音を周波数別に分解して聞き取り、電気信号に変えて脳に送る装置です。耳が悪くなってこの大事な周波数の感度が悪くなると、子音が落ちたり化けたりします。

「納戸」が「万度」に「7」が「1」になっては意味が通じません。耳を澄まして聴いていないと分からないので、突然話しかけられても、知らんぷりになり、「聞こえなかったの?」といわれます。そこで「耳が遠くなった」「きこえが悪くなった」と難聴を自覚するのです。

つまり、「きこえが悪い」という時の「きこえ」とは、ある周波数の音が聞こえないという意味ではなく、「話の意味がとれない」ということ、見ることにたとえると、「コラムを読んだが意味が分からない」ということです。スキタイ文字のチラシが読めなくても、「目が悪くなった」とは誰も思いません。

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補聴器を掛けた方がよいのかしら?
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大手新聞の活字は最近大きくなりましたが、テレビの音は変わらない。老視の人が多くなったからです。新聞は工場を出た時から読む人にわたるまでその字の大きさが変わらないからです。ラジオやテレビ放送の音量は最近になっても変わりません。どんな受信機でも音量を変えられるからです。聞く人が自分に聞きやすいように調節するからです。テレビの音量目盛りに統一規格がないので、娘の家のテレビと比べてもだめです。何年もかかってゆっくり進む加齢による難聴はテレビの音量ダイアルでは分かりません。先月と同じ音量で聴いていますから。しかし、5年前と同じでしょうか?子供は、テレビに張り付いて見ることで、軽度の難聴が見つかります。

つまり、老視判断の基準を誰もが持っていますが、難聴には共通の基準がないのです。だから、補聴器をかけた方が良いかどうかは、じぶんで判断がむずかしいのです。

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補聴器を使わないとどうなる?
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「7時に渋谷駅」で会う約束が、「1時に新橋で」では会えないでしょう。約束を違える人になってしまいます。「おはよう」といっても知らんぷりの人は、愛想のないひとになってしまいます。子供仲間では、「無視された」と思われ、逆に「無視」といういじめに遭います。友達がなくなります。軽度難聴児の抱える問題はここです。自分の声も小さく聞こえると、やたら大声を出して怒っている人になってしまいます。聞こえないのに適当に相づちを打っていると、いい加減に聴いている人になってしまいます。家庭内でも孤立し疎外感を味わいます。

知的障害学級には軽度難聴児が混じっています。難聴があると、普通よりも集中力のある(頭の良い)児しか授業についていかれないからです。ビジネスの世界では窓口・外交・営業活動ができません。会議の進行役はつとまりません。難聴者の平均収入は低いのです。人嫌い、内向的、他人の話しを聴かない、自己中心的、かたくなで、社会性がなくなります。徐々に進行する老人性難聴は「老人性鬱」「認知症」と区別できません。鬱や認知症はますます進行します。

老眼鏡を使わないでは、役所の手続きはできません。世の中通用しないので、役所には老眼鏡が置いてあります。しかし、難聴は自分にすら時に見えないので、そのまま厄介者になってしまいます。

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皆に期待される補聴器は?
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手を塞がない補聴器
松葉杖生活の最大の不便は、歩きにくいより、歩くとき物を持てないことです!
うるさいところでも使える補聴器
聴きたい人の声を大きくする補聴器
嫌な音は出さない補聴器
もちろん、買える範囲の値段で。

全部満たすのは無理です。
ではどんな補聴器?

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