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めまいの治療 (1)はじめに
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「めまい眩暈」はどうして起こるのでしょう?

昔は脳卒中の一状態と考えられていました。 メニエール病の元になったメニエール先生は、内耳だけが悪くてもめまいがするのだ、 という説を初めて主張してやがて一般に認められるようになりました。 そうして120 年、今ではめまいで苦しむ患者さんの7・8割が内耳からくるめまいだということがわかっています。
脳卒中の一種なのか、内耳のせいなのか大違いですが、診断するのは医師の仕事ですが、根拠(所見と言います)がないと病名を決められません。 診断名によって治療法も変わりますから、症状がすっかり無くならないうちに専門の医師に相談する方がよいのです。

どんな治療をするのでしょう?

まずは診てもらう目的(治療の対象)を整理してみましょう。
  1. 今のめまいをとにかく止めて欲しい(めまいそのものを治療) 
  2. ふらつきを何とかしたい(平衡障害を治療) 
  3. まためまいがするか、脳卒中の前ぶれかと不安(不安をとる) 
  4. もうあのめまいがしないようにして欲しい(めまいの予防・原因治療)
  5. 脳腫瘍や卒中の前ぶれではないか調べてほしい
のどれかでしょう。 1〜3を対症療法といいます。診断名によりかわるのは4の原因治療だけです。 原因を探りながらも1〜3の対症治療を始めます。 めまいはもう治まった、原因を知りたいという4の方は、問診からめまいの原因となった病気をいくつか推定して、検査をします。 一度ですべてのわかる検査はないので、可能性の大きい病気と診断するための検査、肉体的・精神的・経済的な負担の少ない検査から始めます。 重大な病気ではないことを確認するための検査も必要ですが、すべての人にMRIをしていては医療費はパンクします。

以下、具体的にはなしをすすめましょう。

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めまいの治療 (2)めまいそのものの治療
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どんなめまいかにより治療法も違います。
少しでも動くとひどくなるがじっとしていても感じている回転性の強いめまいは、吐き気も伴い、飲み薬はうけつけません。 そんなときはめまい止め・吐き気止めの薬を注射(点滴)するしかありません。 食べられないのに吐くので補液(たりない水分と電解質を補うこと)も必要です。 そんなめまいが48時間以上続くことはないので、3日目には吐き気があってもそっと(=頭を動かさないで)食べてみましょう。
食べられれば、めまい止めの薬を飲むことが出来ます。 副作用としての眠気やだるさがあっても強い鎮暈剤(*)が必要です。 これらの薬が効く状態は数分から数日、2週間以上続くことはありません。 強い眩暈がしたときだけ飲むのみ方(頓服)もあります。
枕に頭をつけるときなど、動いた後だけで3分以上は続かないめまいは、つらくても動くことが治療になることが多いです。 効果的な動き(理学療法)をするには専門医の指導が必要です。 めまいがしているときには眼が動いているので、この眼の動きを見ると、どんな動きが効果的か指示できるのです。 自宅でめまい体操をする場合は強い鎮暈剤をのみながら行うとよいでしょう。
いつも何となくフワフワして不安定、傾いている感じ、時にぐらっとくるなどはもっと弱い鎮暈剤(**)を数週間続ける必要があります。 めまいは数千年の昔から知られていた症状で、漢方薬(***)も色々あります。 めまいそのものではなく、首の凝り・頭痛・舌の色・胃腸の弱さ等々のあわせ持つ症状によって使い分けるので、 漢方薬に詳しくない医師の処方は必ずしもよく効くとは限りません。 効かないときは別の漢方薬に変えてみると良いのです。

*強い鎮暈剤:トラベルミン・ドラマミン・ドグマチール・プレドニンetc
**弱い鎮暈剤:メリスロン・イソバイド・トリノシン・セファドール・ケタスetc
***漢方薬:半夏白じつ天麻湯・五苓散・柴苓湯

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めまいの治療 (3)平衡障害を治療
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原因が内耳にしろ脳にしろ、めまいの起こる前の生活に戻すことが治療のゴールです。 端的には歩くことです。体のバランス機能がくずれた状態が平衡障害です。 バランス機能は内耳だけでなく、視覚・手足の触覚・首や体や手脚の筋肉などいくつもの感覚・機能が協力しています。 一つ二つの機能の低下は、他が代わりをしてくれるとあたかも元の健康に戻ったようになりますので、 リハビリによりバランス機能をよくすることが大切です。
ただ、リハビリテーションにと階段の上り下りをして、階段から落ちてしまっては元も子もありません。 入院して心不全がよくなって、家に帰ると悪くなることを繰り返す方が、団地の4階に住んでいたので、 1偕に引っ越してもらったら心不全を起こさなくなった、という例もあります。 体力・筋力の限界を超えてはだめなので、体の声を聞きながら、徐々に訓練する必要があります。 回復する速さは、人により年齢により大変異なります。
めまい症状と比べながら、適切なアドバイスをするのが専門家の仕事です。 どんなひどいふらつきも、その前の70%くらいまでなら必ず戻ります。 もちろん100%良くなる方もたくさんいますので、治ると信じてリハビリをすることです。

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めまいの治療 (4)不安を和らげる治療
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めまいがして不安になるのは当たり前です。 血圧も、測ってみると高いのに驚くかもしれません。 元々高い人はますます高くなります。普段血圧は正常でも、血管の硬い人(動脈硬化症)はひどく上がります。 それがますます不安を強くするでしょう。 心配で眠れないと余計血圧が上がります。 こんな時は血圧を下げる薬でなく、不安を和らげる薬を飲むと血圧も下がるのです。
不安による症状は見えないことが多いので、訴えないとあまり不安がないと思われて薬がでないこともあります。 体の発する不安症状を無視するのもめまいの回復を遅らせ、また再発しやすくするでしょう。 耳からくるめまいで有名なメニエール病の方は、体の発する不安悲鳴を無視する(気が付かない)方が多いので、 私は、メニエール病の方のめまい発作には抗不安剤を出すことにしています。
いくつもある抗不安剤の副作用(眠気・だるさ)はまた個人差が大きいので、自分に合う抗不安剤を知っているのも良いことです。 そして、薬の助けを借りてでもゆっくり休むことが大切です。

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めまいの治療 (5)再発の予防または原因治療
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長い目ではこれが一番大切です。 病院の「めまい外来」 はほとんどこのためにあると言っても過言でないでしょう。 だから、説明もなく、色々検査して待たされたあげくに、めまい外来に回されることが多いのです。 めまいの治療(1)「はじめに」〜(4)「不安を和らげる治療」をしながら同時進行で検査もでき、 急性期の治療が終わったときに(5)「再発の予防または原因治療」にはいれるのが理想です。 しかし、患者さんの地理的・時間的制約、医師の人的・設備上の制約から、前述の(1)から(5)へと順を追って治療されることがほとんどでしょう。

めまいの原因が分かった時安心するのは、
  1. 同じようなめまいはもう来ないといえる、
  2. また同じようなめまいがしないようにできる、
  3. 同じようなめまいがしても対処できる、
からでしょう。 めまいをおこす病態(病気)は50位あります。 どんな医者でも10くらいは知っているでしょう。 一般の方でも以下の7つくらいは知っているとよいです。 それぞれの病気についての詳しい説明はインターネットの検索エンジンでキーワードに入れればたくさん出てきます。 玉石混交ですが、読み比べれば玉と石の区別はできるでしょう。

1に属する病気:前庭神経炎・突発性難聴・良性発作性頭位めまい症
2に属する病気:内耳炎・耳性めまい症・椎骨脳底動脈不全症(小脳梗塞・脳梗塞を含む)
3に属する病気:メニエール病 ・良性発作性頭位めまい症

2・3は、めまいを繰り返す病気です。 繰り返すと言うことは一度のめまいで大きな傷が残らずに回復するということを意味します。 骨折や心筋梗塞のような元に戻らない変化ではないという点で好ましいことでもあります。
繰り返す理由は、内耳または脳幹部の血流不足と、内耳のむくみ(=内リンパ水腫)です。 内耳の血流は後下小脳動脈の枝なので、脳血流増加という面では内耳と脳幹を区別する必要は有りません。 良性発作性頭位めまい症は癖になる病気ではありません。 繰り返すときは耳石がこぼれやすくなった一種の加齢現象と考えられますから、内耳の血流を良くすることが再発予防につながります。 血の巡りをよくするには、血管を広げる・血液をサラサラにする・血液にたくさんの酸素を含ませることです。 コレステロールが貯まるのを防ぐのも必要です。
要するに、血の巡りをよくすること、無理をしない(ストレスを貯めない、体の悲鳴を聴く、自然の摂理に従う)ことです。

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